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1. ヤングのダブルスリット実験

干渉効果は、波の持つ重ね合わせの原理の結果生じる現象である。この特徴を最も端的に示す実験としてヤングのダブルスリット実験が有名である。 図1-1にヤングのダブルスリット実験の概要を示す。

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図1-1 Youngのダブルスリット実験

干渉の生じる原因について簡単に説明すると、図1-1における異なる二つの光路a-b-dとa-c-dの間で距離に差が生じる事により、点aから同位相で出発した 波が点dでは位相差が生じてしまう事による。位相差が(2n+1)π (πの奇数倍)になってしまうと、二つの波は完全に逆位相になってしまうため二つの波は打ち消し合って暗く見える。 位相差が2πの整数倍になると、二つの波は同位相で重なるために強め合いの結果明るく見える。 注意点として、光源は必ずしも単色である必要はなく、太陽光や蛍光灯でもヤングのダブルスリット実験は可能である。 ただし、こうした光源はコヒーレンスが悪く、スペクトルもブロードであるため、干渉縞はより観測しにくくなる。

量子的な状態を記述する波動関数も波の一種である事から、古典的な波と同様にお互いに干渉して強め合ったり、弱め合ったりという現象を示す事が知られている。 古典的な波の干渉と区別するため、量子波動関数の干渉は「量子干渉」と呼ばれている。

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